自己破産で気になる家族に「ばれる」「ばれない」という問題

自己破産で気になる家族に「ばれる」「ばれない」という問題

多重債務者にとって生活再建の切り札となるのが自己破産です。無事免責まで進めば現在抱えている債務の支払い義務がなくなります。そうなれば毎月の返済に追われることもなくなり、生活再建もスムーズになることは間違いありません。ただ全くペナルティが無いわけではなく一定額以上の貯金や資産は全て手放すことになります。それよりも気になるのは他人に露見してしまうか否かでしょう。たとえ家族であっても秘密にしておきたいという人は少なくありません。こうしたばれない、ばれるの問題は今後の人間関係にも大きな影響を与えるものです。

自己破産、ばれないように手続きしたいなら

結論からいえば自己破産を家族に知られずに済ませることは十分可能といえます。そのためには細心の注意を払いつつ作業を進めなければなりません。まず裁判所に申請を行った後は、それに関する通達が家に届きます。まずはそれを発見されないことが発覚を防ぐための基本です。もしも自分で全ての手続きを行おうとすると、連絡される頻度も増えていきます。記載ミスや書類の不備によって時間がかかれば露見する確率も高まってしまうことは避けられません。こうしたリスクを最小限に留めるためには、法律の専門家に協力を仰ぐことが大切です。煩雑な申請作業も肩代わりしてくれますので裁判所からの連絡頻度を下げることができます。また弁護士による手続きは信頼性が高いため、免責までのスピードが速まることもメリットです。個人で進めていくと裁判所からのチェックは厳しくなり半年以上かかることも珍しくありません。ばれない、ばれるが気になるのであれば弁護士などに依頼した方が賢明です。もちろんプライバシーには十分な配慮を重ねてくれますから安心して作業を任せることができます。

とはいえ専門家に一任したとしても油断は禁物です。実は裁判所からの連絡以外にも、自己破産が発覚するケースが存在します。最も警戒するべきなのは官報と呼ばれる機関紙です。この中には定期的に債務整理者の名前を掲載するコーナーがあります。もしも家族がこれに目を通せば露見は免れないでしょう。しかしながら一般紙とは違って、法律関係者など極めて限られた人しか購読しない機関紙です。インターネットにも公開されていますがPDF形式ですから名前が検索結果に乗ることもありません。このため現実的にはばれない、ばれるという心配に怯える必要はないでしょう。

自己破産のリスクはある

それよりも注意しておきたいのは新たにローンを借りる場合です。自己破産者は漏れなく信用機関のブラックリストに掲載されます。そこに名前が記載されている限りはローンやクレジットカード、スマートフォンの分割払いさえ不可能です。永遠に掲載されるわけではありませんが最長で10年間は名前が残ったままになります。しかもその間は一切の信用情報が空白になるため、ブラックリストから外された後も形跡が残ることは確かです。結果的にかなり長期的にローンなどを組めないことを覚悟しなければなりません。

当然このことは家族や周囲の人間にとっても疑惑を生じることになるでしょう。家を買う際に過去の経歴が発覚してしまい、争議になってしまうこともしばしばです。これらを回避するためには知識を活かして器用に立ち回ることが求められます。審査のいらないデビットカードを所持して、クレジットカード払いに活用するというのも有用です。スマートフォンを購入するのであれば中古商品を一括払いで手にいれるという方法もあるでしょう。一番やってはならないのが違法な金融サービスでお金を借りてしまうことです。それではまた多重債務者に逆戻りして債務整理も通りにくくなります。ばれない、ばれるを気にするあまり不合理な行動に走らないよう正しい知識を蓄積していきましょう。